OMの家づくり

自然のエネルギーで、家のすみずみまで暮らしやすい暖かさに。
「OMソーラーハウス」のしくみを解説します。

「OMソーラーハウス」とは?

OMソーラーは「パッシブソーラーシステム」と呼ばれる仕組みのひとつ。
太陽の熱や風など、自然のちからを利用して、
冬暖かく夏涼しい室内環境をつくりだします。

省エネ技術としてはもちろん、COを削減できる
「安全で持続可能な家づくり」として広く脚光をあびています。

OMソーラーハウスが誕生してから、21年。
これまでに2万棟以上の実績があるこのOMソーラーハウス。

「自然と一緒になって暮らす」

「生活をできるだけシンプルにする」

「光と風を自然体で受け止めながら、遊びごごろも忘れずに暮らす」

こんなライフスタイルが、この家では実現できます。

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基本のしくみ-3つのポイント

OMソーラーは、建物全体をしくみとして活用します。
暖房器具のようにポンと設置するのではなく、
設計段階から太陽熱の利用を考えていくのです。

屋根から図.gif床下へ図.gifhounetu.gif 基本のしくみ

  1)屋根から熱を集める
  2)床下に熱をためる
  3)放熱による床暖房

ここで重要なことが、熱を運んでいくのが空気であること。

軒先から取り込まれた外気は太陽熱で暖められ、
その暖気を小型ファンが一度床下の空気層へ送り出します。
床下の蓄熱コンクリートに熱を蓄えながら、少し冷めた空気は、
「あたたかな空気は上へ昇る」という自然の性質を利用して、
床吹き出し口を通り、部屋の中へ。

夕方、外気温が下がりはじめると、蓄熱コンクリートは、
昼間蓄えた熱をゆっくりと放熱し始めます。
OMソーラーの家は、こうして一日の室温変化を緩やかにするのです。


OMソーラー 冬のしくみ

屋根に取り付けられた「ガラス付き集熱面」や「ガラスなし集熱面」からの熱で
軒下からの冷たい空気が序々に温められます。

この温められた空気が、「ハンドリングボックス」という機械装置によって、
小型ファンの力をかりて、床下へと送り込まれます。

空気は床下いっぱいに広がり、コンクリートに熱を蓄えながら、
やがて、ゆっくり、床に設けられた「吹出し口」から室内に流れてきます。

夜、空気のながれは止まり、
昼間、床下のコンクリートに蓄えられた熱が放熱され、
床を温め、室内に放熱させ、輻射暖房として働きます。

ふゆのしくみ.jpg


OMソーラーがあっても曇ってしまえば、寒いのか?

いいえ。
そんなことはありません。

曇りの日でも、床下に残った熱が
冷え込みを緩やかにしてくれるからです。

太陽熱を利用するOMソーラーは、曇りの日には
晴れた日ほどの暖かさは得られません。
しかし、
晴れた日に、床下に貯めた熱が残っているので
OMソーラーではない家のように、いきなり冷え切ったりはしません。
もちろん、補助暖房は使いますが、
温度が下がり切っていない分、
暖房効率も良いのです。
イラスト1のJ.jpg


OMソーラーのしくみを少し詳しく


<屋根で集熱>

太陽があたり屋根面が熱くなると
新鮮な外気が軒先から屋根の通気層に入ってきます。


この空気は太陽の熱で温められながら
秒速数cm~10数cm程度のゆっくりとした速度で
昇っていき、ガラス付き集熱面でさらに温度を上げ(※)
棟ダクトに集められます

地域や季節の条件によってちがいますが
冬の快晴の日であれば、集熱温度は約60℃ほどにもfig_winter01[1].gif
なります。

※ガラスはごく普通の強化ガラスです。
集めた熱の温度が風により低下することを防ぐと同時に
「温室」のような働きにより空気の温度がさらに高くなります。




<ファンを使って空気を床下に送る>

熱と空気をコントロールする。
熱い空気は上昇する性質を持っています。
そのためOMソーラーでは、ハンドリングボックスの中にある
ファンの力で、屋根(棟)から空気を吸い込んで
その時々の運転モードにより空気の行き先を変えます。

冬は暖かい空気を床下に送り
夏はその熱でお湯を採るなど、年間を通じてfig_winter02[1].gif

集熱した空気をコントロールする働きをします。


棟ダクトに集めた熱い空気は
ハンドリングボックスを通って床下に送られます。
(自立運転型ハンドリングボックスは、ファンの動力に
太陽光発電を利用します)


<床下のコンクリートに熱を貯める>fig_winter03[1].gif

立ち下りダクトを通して送られてきた熱い空気は
床下の空気層をゆっくりと流れ、蓄熱コンクリートを
温めながら(コンクリートに熱を奪われながら)
少し冷めた暖気となり室内に流れ出ます。
このように、暖房と換気を同時に行える
という点もOMソーラーの特長なのです。


<放熱する>fig_winter04[1].gif

太陽が沈んだ後、外気温の低下とともに
床下のコンクリートからゆっくり放熱が始まります。
日中に貯めておいた太陽の熱を夜明けまで使おうという
しくみです。
これにより、昼と夜の室内温度差をやわらげることが
できます。



太陽と空気を使うワケ

<よくわかるOMソーラー>


1.なぜ、太陽の「熱」を使うの?

OMソーラーは、太陽の「光」でなく「熱」を使って
暖房や給湯に使います。

なぜ、「熱」を使うのか?。naze1[1].gif

それは、「熱」で済む用途には「熱」を使うのが
一番単純で無駄がないからです

暖房なら、寒い冬でも20℃もあれば十分快適のはず。そして、屋根にはたくさんの太陽熱が降り注いでいます。


その熱を使わずに、わざわざ石油を燃やしてつくる電気を使って暖房するのはもったいない。電気のような高度なエネルギーは、電気にしかできない「照明」や「動力」に使い、低レベルな「熱」で済む用途には太陽の「熱」を使いたい。


だから、OMソーラーは、暖房や給湯に太陽の「熱」を使うのです。


2.なぜ、空気を温めるのこれにはいくつか理由があります。
まず、空気なら液体と違って万が一漏れても安全です。
そして寒い地方で凍ってしまう心配もありません。


また、空気を床下にまわして温めるOMソーラーは
「温かい空気が上昇する」という性質と相性が良いしくみです。
天井近くから温風を出す場合は強制的に床面近くへ
空気を送らないと足元が冷えてしまいますが
OMソーラーは床吹き出し口から空気がゆっくりと
流れ出ます。?naze2[1].gif



そして何より重要なのは、空気そのものを温めて
取り込むので、暖房しながら換気ができるということです。
冬に窓を開けて換気すると、せっかく温めた部屋に
冷気が入ってしまいますが、OMソーラーでは「暖房」と
「換気」という相反することを同時に実現します。


だから、OMソーラーは太陽の熱を「空気」に伝えて
利用するのです。


3.なぜ、熱を貯めるの?

熱エネルギーには、「蓄えることができる」
という特徴があります。

OMソーラーはこの特徴を活かして、昼のあいだ
太陽の熱を床下の基礎コンクリートに貯めておきます。
コンクリートはいったん温まると冷めにくい性質を持っており
言ってみれば「熱の貯金箱」です。
この、貯めた熱を、時間差で少しずつ使うのです。naze3[1].gif


冬、特に暖かさが欲しいのは太陽が沈んだ夕方から
明け方にかけての時間帯です。
OMソーラーでは、集めた熱のほとんどを
いったん床下のコンクリートに蓄えます。その熱が
夕方、外の気温が下がってくる頃から
翌朝にかけてゆっくりと放熱するため、室温が急激に
変わることがありません。



暖房しながら換気するエコ住宅

OMソーラーは、暖房しながら、換気をしています。


ふつう、換気といえば窓を開けて行いますが
冬は冷たい空気が入ってきてしまいます。
そんなときに部屋の中を冷やすことなく換気できるのが
OMソーラーの大きな特長です。

「暖房」と「換気」。この二つは本来、相反する要素です。
一般的には、断熱を高めて熱を逃がさないようにすると、それに比例して
換気がされなくなります。暖かく過ごすためには換気量を抑えたいところですが
住まいに換気は不可欠です。


一方、室内にたくさんの空気を取り入れようとすると
その分熱が逃げてしまい、寒さを補うための暖房エネルギーも膨らみます。

その点、OMソーラーは、空気そのものを温めて室内に取り込むため
換気による熱の損失を気にかけることなく、暖かく健康的に過ごすことができます。


冬の晴れた日なら、OMソーラーによる換気量は
1時間に最大600m³にもなります。
窓を閉め切っていても、OMソーラーが運転していれば
新鮮な空気が取り込まれるわけですから、それはまさに「呼吸する家」といえます。

実際、OMソーラーの住まい手の方からは
「長く留守をしていたのに、家の中がムッとした感じがなかった」
という声がよく聞かれます。
この特徴から、OMソーラーは別荘などの住宅にも取り入れられています。

換気.gif


温度差のない家

空間の温度差を解消

住まいの温熱環境を語る上で、よく難問とされるのが
垂直の温度分布「上下の温度差」と、水平の温度分布「部屋と部屋の温度差」です。

OMソーラーは建物全体を床から温めるので
通常の暖房によく見られるような、頭の方ばかり暑く
足もとが冷える、ということがありません。

また、家全体の床が冷たくないので
北側の部屋や廊下、トイレの床にいたっても、冬にゾクッとするような
冷たさがありません。


OMソーラーによる暖房の温度はそれほど高くありませんが
暑さ寒さを感じさせない、ほどほどの温熱環境ですので
急激な温度変化に身体を対応させる必要がなく、のびのびと歩き回ることができます。



<温熱環境のバリアフリーを実現するOMソーラーの家>

限られたスペースを暖房すると
暖房していない部屋との温度差が大きくなるため
ヒートショックの危険性に加え、行動範囲も狭くなります。


一方、OMソーラーの家は、温度はそれほど高くありませんが
家全体に温度差がないので、のびのびと過ごすことができます。
家全体が行動範囲となり、小さな家でも広く住むことができます。

fig_01[2].gif


省エネ・地球にやさしいエコ住宅


現在、地球のエネルギー問題は
資源の枯渇や汚染、地球温暖化問題など、待ったなしでその対策を迫られています。

特に加速しているのは地球温暖化問題で
その防止に向けて世界的に取り組みが進められています。
特に、温室効果ガスの中でも石油や石炭など化石燃料の使用によって
排出されるCO2(二酸化炭素)は、地球温暖化への影響が最も大きいとされ
その削減が求められています。



一般に、暖房や給湯は化石燃料によって賄われています。
OMソーラーの場合、太陽という自然エネルギーでこれを賄うため
化石エネルギーの消費量を抑え、環境負荷であるCO2の発生を抑える効果があります。

そして、OMソーラーのよさは、そのために「ガマン」を強いるのではなく
気持ちのいい暮らしをしながら実現できることです。



暖房負荷の低減 ・・・・・・熱源が太陽ですから、暖房エネルギーを削減できます。
                 OMで賄える暖房は、土地の気象や建物の仕様(断熱・気密)
                 求める室温にもよりますが、年間で30~60%に達します。


冷房負荷の低減・・・・・・ 夏の夜、室温より外気温が低くなると
                 放射冷却で冷えた屋根面を通じて外気を室内へ取り入みます。
                 翌日の室内温度上昇を抑え、その分の冷房負荷を
                低減させます。


給湯負荷の低減 ・・・・・・春から秋にかけて「お湯」を採ります。
                ハンドリングボックス1台で50℃のお湯を
                約300~500リットル(一日あたり)採ることが可能です。



太陽熱を利用するOMソーラーは、実際どのくらい有効なのでしょうか。
下の図は、OMソーラーにおける省エネ性をOMシミュレーションにより算出し
一般の住宅と比較したものです。

<年間CO2発生量とエネルギー消費量の比較>

グラフ1.gif


(比較対象住宅)

建物条件
東京都、家族数:4人、延床面積:120m² (1) 次世代省エネルギー基準レベルの家:
次世代省エネルギー基準(※1)レベルの家
Q値(※2):2.34W/m²K
※1 日本において、国が基準とする断熱・気密性能をクリアした住宅。
※2 Q値...熱損失係数。建物全体の断熱性能を示す数値で、数値が低いほど断熱性能が高いことを表す。 (2) OMソーラーの家:
OMソーラーを取り入れた木造軸組パネル工法(フォルクスA)
Q値:2.04W/m²K シミュレーション条件
冬季暖房設定(24時間全館暖房):18℃ 夏季冷房設定(24時間全館暖房):27℃ 暖房計算期間:日平均気温が15℃以下の日 冷房計算期間:日平均気温が15℃を超える



<太陽熱利用」の実効性>

OMソーラーは、太陽の熱を空気に乗せて
その熱エネルギーを暖房や給湯に利用することで省エネルギーを図ります。
汚れを生まず、枯渇することのない太陽の熱をダイレクトに使い
一軒一軒の家で活用できる
もっとも実際的で効果的な方法です。


NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)では
高効率エネルギーシステムを導入し
補助金を受けている方に、「3年間継続して電力・ガス・灯油の使用量などを
『省エネモニタリングデータ』としてNEDOに報告すること」を
義務付けています。


以下は、NEDOにて公表されている
「省エネ量の推計を行った世帯(推計有効世帯)におけるエネルギー種別消費量」
(NEDO平成17年度資料)です。
OMソーラーシステムは、グラフ中の「温風式太陽熱暖房」に該当します。

グラフから、「太陽熱利用」は
高効率エネルギーシステムの中で家庭内エネルギー消費量が
最も少ないことがわかります。

グラフ2.gif




<OMソーラーの家のエネルギー消費量が少ない理由>

OMソーラーは
晴れた日に太陽熱を利用することで
「建物全体の温熱環境を底上げ」しているため、全体としてみたときの
エネルギー消費量が減ります。


もちろん太陽の熱だけで
すべてのエネルギーを賄うことは難しく利用には限界があります。
しかし、OMソーラーで得られた
熱的ベースをもとにして、足りない分は衣服や機械の使用で補えば
投入するエネルギーは遥かに少なくて済むのです。


これが、OMソーラーの家がエネルギー消費を抑えられる大きな理由です。


そして、OMソーラーによって暖房や給湯負荷を
軽減しているという以外に
「住まい手のみなさんの日々の暮らし方」も
大きな要因と考えられます。
OMソーラーの家に住むと、住まい手自身、毎日の天気が気になったり
自然の力を取り入れようと、積極的になったり
意識や価値観が変わったという方が多くいらっしゃいます。